2023年2月3日に山梨県中小企業診断士協会・食と農研究会にて「コロナ禍でのワイナリー経営」をテーマとして、奥野田葡萄酒醸造株式会社様を訪問してきました。
詳細は、J.S.A認定ワインエキスパートでもある䓶木 正史(いばらき まさふみ)中小企業診断士に「奥野⽥葡萄酒醸造株式会社訪問記」としてまとめていただきました。下記のリンクよりぜひご一読ください。
当日は圃場・醸造工程、ワインのテイスティングや、コロナ禍での経営の現状・課題や取り組みについて、中村雅量代表取締役からお話を伺いました。
コロナ禍で外食する機会が減少し多くのワイナリーが経営面で苦境に立たされていますが、同社では売上がそれほど減少せず、現在はコロナ以前と同水準まで売上が回復しているとのこと。
その理由として「栽培や収穫体験ができる会員制の奥野田ヴィンヤードクラブを運営しており、直接顧客と結びついていることが大きな要因。現在200人が会員として在籍しており、常に定員の上限までいっぱいになっており、会員になることもタイミングが合わなければ難しくなっている」
この話を聞き思い浮かんだことは、「コミュニティ」を形成し「ファン」になってもらうことが、経営環境が大きく変化する現代でも長く愛され売れ続ける秘訣ということです。
また経営者・生産者と消費者が直接つながることにより、美味しさや価格といった機能面の価値だけではなく、奥野田ヴィンヤードクラブ内で仲間を見つけることやコミュニケーションができることが顧客にとってのさらなる価値を生み出しています。
特に奥野田ヴィンヤードクラブでは、長年在籍している会員が新規会員にクラブ内のルールなどを教えてあげるなど自走するコミュニティとなっており、参加者にとっては「役に立つ」という機能だけでなく、ライフスタイルの一部となっているといった「意味」を持っていることが想像できます。
これらのことはワイナリー経営だけでなく、多くの企業経営にも活かせるのではないでしょうか。
そんな示唆に満ちた貴重な時間を過ごすことができました。あらためまして、奥野田葡萄酒醸造株式会社様のご厚意と研究会にご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。
今後も「コロナ禍でのワイナリー経営」をテーマに複数のワイナリー様を訪問する予定です。訪問させていただくことができるワイナリー様、また研究会にご興味のある方のご連絡をお待ちしております。
食と農研究会・池田哲郎